投資信託を復旧させるには?
最大の特色はカードを差し入れ口に挿入すると、ディスプレーが「S銀行」の案内画面から利用者がいつも使い慣れている銀行の表示画面に切り替わるところである。
S銀行から直接、各提携行のホストコンピュータにつながるためで、利用者はATMの前で戸惑うことなく操作ができる。
誕生間もないS銀行だったが、05年後半からさらに機能を高めた新型のATMに切り替えを開始した。
出入金の紙幣を処理する能力を旧型機の4倍に上げ、一時間あたりの利用者数を現行の6人から100人程度でも対応可能にした。
また紙幣の収納量も2倍にして警備会社が担当する紙幣交換の手間も軽減した。
セキュリティーにも一層配慮し、取引内容やボタン操作がのぞき見できないようにしてある。
将来の新サービスをにらんで非接触型ICカード、携帯電話、生体認証などにも対応可能なように機能を拡充した。
その中で既に視野に入っているサービスはATMから電子マネーに直接入金できるようにすることである。
従来、JR束日本のSUICA(スイカ)やソニーなどが出資してできたEdy(エディー)に入金するには、ATMから現金を引き出し、その現金を電子マネー用の別の機械に入金し、再度電子マネーに移す必要があった。
Sは、07年春から発行する独自の電子マネーにATMから直接、入金できるようにする計画だ。
利用者にとって出金、入金の手間がなくなる。
取引明細の印刷機能を強化して広告やクーポン券の印刷・発行も検討中である。
小売業の視点からすれば至極当然のサービスだが、金融業界ではなかなかそうした発想に及び至らなかった。
金融業界にとっては、参入条件として定めた「3年以内の黒字化、5年以内の累損解消」をS銀行が達成するかどうかが注目点であることに違いなかった。
銀行業界の常識とSの常識との検証ができる唯一の基準だった。
2003年11月7日、日本銀行本店にある記者クラブで開いたS銀行の03年9月中間期の決算発表で、A社長は最終損益が1億4千万円の黒字になったことを明らかにした。
同じ時期のSの最終損益は約500億円の黒字で、S銀行の黒字は霞んで見える数字だが開業2年半で黒字転換したことは大きな意味を持っていた。
安斎は「ATMの展開という装置産業の利点が出た」と語り、これからも順調に営業成績が伸びていくという自信を示した。
当時、新規参入した銀行の中で黒字転換した銀行はまだなく、S銀行が先駆けて第一難関をクリアした。
採算ラインと言われていたATM1台の1日あたりの利用件数は、一時期45件ほどで低迷していたことがあったが、この時点で70件に達した。
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